MS&Consulting × 東京海上キャピタル

~二人三脚で歩んだ成長への軌跡~

株式会社MS&Consulting

代表取締役社長

並木 昭憲

東京海上キャピタル株式会社
(現ティーキャピタルパートナーズ)

取締役社長

佐々木 康二

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PROLOGUE

昨今、日本を訪れる外国人観光客にも馴染みの言葉となった「おもてなし」。室町時代に発祥した茶の湯に語源を持つといわれ、お客様や大切な人への気遣いや心配りを示す、日本が世界に誇れる文化のひとつといえます。

MS&Consultingは、消費者モニターを活用した覆面調査における国内のパイオニア企業として、企業がお客様に提供する「おもてなし」を、顧客満足度覆面調査(ミステリーショッピングリサーチ)という手法を通じてモニターし、その改善のためのコンサルティングサービスを提供しています。また、同社の従業員満足度調査は、人手不足が深刻化する日本において、企業が従業員により良い職場環境を提供する上で、欠かせないツールとなっています。

同社は2017年10月に東証マザーズに上場。このたび、MS&Consulting代表取締役、並木昭憲氏と、2013年5月に資本参加後、同社の成長をサポートしてきた東京海上キャピタル(現ティーキャピタルパートナーズ)の取締役社長、佐々木康二が対談を行いました。

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~東京海上キャピタル(現ティーキャピタルパートナーズ)と歩んだ5年間~

佐々木 このたびは上場おめでとうございます。会社運営のかたわら、上場準備や投資家説明おつかれさまでした。さて、私どもも並木社長と出会ってはや5年、投資以降は貴社の成長の過程をご一緒させて頂きました。振り返って、当初、私どもをどのようにお感じになり、どのような点に期待をされたかお聞かせ願えますか。

並木 最初、御社から、過去の投資実績や活動状況を説明頂いた時点で、これは信頼できるパートナーになりそうだなと直感しました。投資のご担当者も当社へのサポートに情熱をもっていらっしゃったし、御社の投資先に当社のお客様がいらっしゃったこともあって当社の強みや事業内容をよく理解されていました。
期待したのは金融業界への切り込みです。すでに飲食業はじめ接客に関わる幅広いサービス業で信頼と実績を積み上げていましたが、銀行・保険業など金融業界における顧客満足度調査では新興勢力でしたから、既存勢力と差別化できるユニークな調査・コンサルティング手法を確立し、新しい事業領域としてチャレンジしようと。この点で、御社の持つネットワークも活用してご一緒したいと思いました。

佐々木 ありがとうございます。私どもも地方銀行ほか金融機関や事業会社をご紹介させて頂きましたが、結果的に数多くの金融機関をお迎えできましたし、継続・拡大してご契約も頂いているようで良かったですね。一方で、当社の担当チームメンバーも、サービスメニュー開発や営業をご一緒する過程で、貴社のスタッフの優秀さ、品質へのこだわりと仕事への情熱には舌を巻いておりました。

並木 こちらこそ。御社には、お客様の紹介のみならず、当社の営業現場のマネジャーや担当者クラスと一緒になって営業施策を検討し、その推進の手助けを頂きました。また、解決すべき課題に直面した時には、すぐに会社に来てくれて、社員と一丸となってその課題を乗り越えるべくサポートしてもらいましたし、時には厳しくも真摯なご指摘も頂きました。お互いに率直に意見を交わすことができたからこそ、経営レベル、現場レベルで相互に信頼を築くことができたのだと思っています。

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IPOの実現とさらなる成長

佐々木 MS&Consulting のサービスは、全国に40万人超のモニターを有する覆面調査の国内トップ企業として、顧客満足度に関する覆面調査(CS)から、従業員満足度調査(ES)、また、これらの調査による現状把握にとどまらず、その後のコンサルティングや研修まで一貫して顧客企業をサポートされている点で、圧倒的なノウハウ、強みを持たれていると思います。

また、今後、2020年の東京オリンピックといった一大イベントも控え、昨今、「働き方改革」にも大きな注目が集まるなど、貴社の手掛けるサービスには追い風が吹いているように考えますが、IPOを実現された現在のご心境、今後の成長戦略についてお聞かせ頂けますか。

並木 そうですね、まずは投資頂いて以降、一貫して御社には当社のIPOへの支援、ご理解を頂いたことに感謝しています。実務レベルでは、主幹事証券会社の選定にはじまり、上場審査対応のための内部管理体制強化など様々なサポートを頂きました。

IPOに際しては、数多くの投資家と対話の機会を持ちました。当社の独自性の高いビジネスモデルやワンストップの調査・コンサルティングに加え、人手不足や働き方改革といった外部環境にも注目頂き、当社をご評価頂けたと考えています。上場という目標は達成しましたが、一つの節目に過ぎません。今後は社会の公器として、身が引き締まる思いでさらなる成長に向けて邁進したいと思います。

今後の成長戦略ですが、顧客満足度調査(CS)では、既存の主要顧客に加え、金融機関、行政機関、公共交通、教育業界などまだまだ浸透していない顧客領域も広いので、顧客基盤を着実に拡大させたいと思います。一方で、従業員満足度(ES)の向上は、顧客企業の人材採用や従業員の繋ぎ止めといった観点から社会的にもますます重要なテーマとなりますからこの需要に応えていきたい。さらに、2016年に初めて海外進出したタイ、台湾など、日本的な「おもてなし」精神に基づく顧客満足度調査の海外展開も推進していこうと思います。

佐々木 有難うございます。さて、上場以降、事業推進面あるいは貴社社内の雰囲気といった面で、具体的に変わったと思われることはありますでしょうか。

並木 そうですね、事業面では、上場企業としての信用力が強化されたことで営業面で大きなプラスの影響があったと考えています。上場後、企業からのお問い合わせ数が増加し、新規顧客開拓が加速しています。また当社のスタッフも上場を機にますます張り切っていこうというムードが高まっていて、今後は、人材採用などの面でもプラスの効果が出てくると考えています。

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〜 終わりに〜

佐々木 話は少し変わりますが、国内では、少子高齢化の進展で中堅中小のオーナー企業の事業承継問題が顕在化しており、私どもプライベート・エクイティ・ファンドが資本、経営の両面で受け皿となってサポートを期待される機会が増えています。私どもとしても、より多くの経営者や企業との間で、並木社長と培ってきたように、相互信頼を築き二人三脚で成長をサポートしていきたいと考えています。最後になりますが、後継者対策や資本再構築をご検討されていらっしゃる中堅中小企業の経営者の皆様に向けて、経験者としてメッセージを頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

並木 はい、御社には約5年にわたっておつき合い頂きましたが、やはり、PEファンドは、資本の提供者であると同時に、経営陣に対して常に客観的目線で助言やサポートを頂ける、いわば相棒、女房役とでも言いましょうか、そういう存在なんだと思います。大切なのは最初の段階で忌憚のない意見交換を行うことです。そうすれば、共に目線を合わせて事業成長を目指すパートナーとして、また時にはオーナーとしてガバナンスを効かせてくれるといった良い関係を築けると思います。私ども同様、将来IPOを目指す企業も、そうでない企業でも、御社のようなファンドは、企業としてのさらなる成長を目指す上で、本当に頼りがいのあるパートナーになると思います。

佐々木 並木社長、本日はご多忙の中、長時間にわたってインタビューにご対応頂きまして有難うございました。今後の成長をお祈りしております。